ネット証券の構造
ネット証券の構造
92年、高格付けのY堂の保証をもとに、破綻経営企業でありながらS社の4億ドルを限度としたコマーシャル・ペーパー(CP)の発行では、米格付け会社のスタンダードーアンドープアーズとムーディーズがともに最上の格付けを与えた。
このCPを使って高金利で借り入れていた短期借入金3億5千万ドルを返済した。
翌年にはジャンク債の半分を期前償還するなどして特別利益を計上し、金利負担を大幅に削減した。
93年度の金利負担は9400万ドルとなり、90年度に比べると約5分の1に減少した。
その後も32行もあったシンジケート団(取引銀行団)を集約し、Y堂グループの取引行Rを含む11行とした。
95年はY堂とSを引受先とする3億ドルの転換社債を発行し、これを原資(2億2500万ドル)にジャンクボンドを買い戻したほか、残りの7500万ドルは新規出店の資金に回した。
毎年のように実施する財務リストラの結果、業績は順調に回復し、99年度に純利益が8300万ドルとなった。
99年3月には、社名をS社からS・インクに変更した。
店舗名と同じにすることで、消費者や投資家に対し米Sの再建をアピールすることにした。
そして、財務リストラの総仕上げは2000年7月のニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場だった。
87年に企業買収からの防衛策として非上場となり、91年にY堂グループによる資本参加後にナスダック(店頭市場)で株式は売買されていたが、約13年ぶりにニューヨーク証券取引所への上場にこぎ着けた。
Y堂グループが米Sの再建に取りかかって10年目の節目で、同社の創立715周年でもあった。
NYSE上場に合わせ全世界から3千人の加盟店主や従業員がニューヨークに集まり、「7月11日」のS日に記念式典を開いた。
NYSEの粋な計らいもあり、Iは立会場の取引終了のベル(クロージングペル)を鳴らすセレモニーの機会にも恵まれた。
上場を成功裏に終わらせるための「テンポのいい」(S副会長のK)用意周到な財務戦略があった。
まずE月に米Sは、Y堂グループを引き受け先とする5億4千万ドルの増資を実施。
負債総額24億2千万ドルを18億8千ドルに減らし、年間の金利負担を3千ドル削減して7200万ドル程度に抑えた。
同時に約5700ある店舗のうち自社物件を売却し、リースバックを受けて1万3300万ドルを捻出した。
このほかにも、日本のSから将来受け取るロイヤルティー(商標利用料)を担保に125億円を調達、社債の前倒し償還に踏み切った。
極め付けは株式併合という手法を使って株価を引き上げたことだ。
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